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「勝者総取り」の時代をどう生き抜くか。尖った強みの掛け合わせで目指すグローバル市場

AI記事要約

コロプラグループは2025年10月より、中期経営方針を実現するための具体的な目標として、モバイルゲーム市場における「Global Top 20」の達成を掲げています。コロプラから誕生したエンターテイメントがグローバルに存在感を発揮するためには、グループ各社とのさらなる連携が欠かせません。そこで今回より、全3回にわたってコロプラでゲーム事業を管掌するCOO,Gamesの坂本とグループ各社の代表との対談企画を実施。各社にどのような強みがあり、コロプラとタッグを組むことでどのようなシナジーが生まれるのか、競争が激化する市場でどのような取り組みが実現しうるのかを考えます。

第1回は、『アリス・ギア・アイギス』を手がける株式会社ピラミッドの柏木准一代表にお越しいただきました。ゲーム開発にかける想いなども含め、詳しく話を伺います。

坂本 佑のプロフィール画像

株式会社コロプラ 取締役 上席執行役員 COO,Games(Chief Operating Officer,Games)

坂本 佑

大手ゲームメーカーにエンジニアとして新卒入社し、プランナーに転向。アミューズメント系のゲーム開発に携わった後、モバイルゲームの開発に従事。コロプラには、2013年に中途入社。2020年12月より取締役に就任。

柏木 准一のプロフィール画像

株式会社ピラミッド 代表取締役社長

柏木 准一

1992年よりゲームグラフィックの制作に従事。1994年頃から企画・ディレクションに携わり、以降、数々のゲーム会社で開発・制作に参加する。2001年にピラミッドを創業、取締役に就任。代表作は『ドラゴンボールZ 超武闘伝2』、『カオスシード ~風水回廊記~』、『ダライアスバースト』など。

2001年創業、多数のゲーム開発を手がける株式会社ピラミッド

お二人の現在の役割を教えてください。

坂本

コロプラの取締役として、ゲーム事業全体を統括しています。AIによって体験性を革新する“生成ゲー”タイトルを中心として、新たなテクノロジーを活用した体験を模索しつつ、“位置ゲー”×有力IPによってグローバルヒットを狙うという、両輪を回す方針で事業を推進しています。

柏木

コロプラグループのゲーム開発会社・ピラミッドにて代表取締役社長を務めています。当社の代表的な作品である『アリス・ギア・アイギス』の開発ディレクターとプロデューサーの役割も果たしながら、新たなタイトルの開発にも携わっています。

柏木さんは1990年代からゲーム業界で仕事をしていると伺いました。

柏木

そうですね。1992年頃、ファミコンやメガドライブの時代にドット絵の制作から仕事を始めました。その後、フリーランスとしてゲーム開発会社に所属。『カオスシード ~風水回廊記~』という作品で初めてディレクターを担当しました。そこから様々な仕事を経験した後、2001年に当社を立ち上げ、コンシューマーゲームやアーケードゲーム、スマートフォンゲームの企画開発に多数携わっています。

ピラミッド社の概要についても、改めて教えていただけますか?

柏木

当社はスマートフォンゲームを主軸として、各種ゲームの企画開発・運営やシナリオ・グラフィック制作を行う企業です。代表作としては2018年1月にリリースした『アリス・ギア・アイギス』が挙げられます。2015年9月にコロプラグループに参画し、様々な分野で連携を図りながらゲーム開発を担ってきました。

『アリス・ギア・アイギス』はなぜ愛され続けているのか

『アリス・ギア・アイギス(以下、アリスギア)』は、2026年1月でリリース8周年を迎えました。これほど長くユーザー様に愛されている秘訣はどこにあるのでしょうか。

柏木

大きく3つの理由があると考えています。1つ目が、グラフィックやシナリオにおいて、彼女たちが「そこに居る事を感じられるように」端末の中からアリスギアの世界を覗き見ているような感覚を大切にしてきたこと。2つ目が、アーケードゲームやシューティングゲームの開発経験を活かし、操作感の強いゲームとして作り込んできたこと。3つ目が、隙間時間を使って長く遊び続けられることをコンセプトに、ゲーム性を意識しながらもプレイ圧が強くなりすぎないようバランスをとって開発・運営してきたことです。

「プレイ圧が強くなりすぎないようにする」とは、具体的にどのような工夫をされているのでしょう?

柏木

例えば、イベントを開催する際、期間を長めに設定しています。多くのソーシャルゲームでは1週間程度でイベントが終了しますが、アリスギアでは通常2〜3週間の期間を設けており、最近では1〜2カ月にわたって開催するイベントもあります。お客様を焦らせることなく、気が向いた時にいつでも遊べるようにしているのです。また、1回あたりのプレイ時間にも気を配っています。アリスギアの場合は15~20分程度で終わるものが多く、短い時間でも楽しめるよう工夫しています。

坂本

アリスギアの主戦場となっている美少女ゲームジャンルは、近年海外勢を含めて様々なプレイヤーが参入しています。彼らがみんなハイグラフィックな作品づくりを武器にユーザーを集める中で、アリスギアはこの8年間ずっと一定の人気を獲得し、独自のポジションを確立しているのがすごいですよね。

柏木

市場の中でポジションを確立できたのは、最初から「オタクの人のたしなみ」になるようなゲームを目指していたからだと思います。美少女ゲームの中には壮大なストーリーを描くものも多いですが、アリスギアはもう少しライトな文脈で、日本で暮らしていたお客様の生活に寄り添ったイベントを多くしていて。例えば年末には除夜の鐘イベントや、お正月には初詣のイベント、今年は午年にちなんで復刻ですが、群馬県に許諾をいただき、上毛カルタをゲーム内に登場させているんですよ。

坂本

そうした施策があることで、ゲームへの親近感と愛着が湧きますよね。ピラミッド社のユーザーに対する解像度と市場理解は本当に深く、その考え方は勉強になることが多いです。

そうしたユーザー解像度の高さは、どのように獲得されていったのですか?

柏木

このジャンルのゲームを遊ばれるお客様への理解は最初から深かったように思います。

坂本

柏木さんのご経歴からして、オタク文化に詳しいですよね。

柏木

そうですね。加えて、社内のほかのメンバーもオタク文化に詳しい人が多いですし、ゲームセンターに置いてあるようなシューティングゲームの開発を基板設計込みで作っていた時代から担ってきた人が多いので、そういったお客様への解像度は自然と高いと思います。

坂本

アーケードゲームの中のシューティングゲームがどのような人に好まれ、彼らが何を楽しみにプレイしていたのかをみなさんがよく知っているからこそ、アリスギアならではの操作感が生まれるのだと感じます。

柏木

自分たちが好きだったものを、同じように好んでいた方々に共感していただけるようアリスギアを作っている。それが現在まで続くタイトルとなった秘訣のひとつなのだと思います。

アリス・ギア・アイギス8周年

「コロプラ×ピラミッド」のシナジーで世界シェア拡大を目指す

スマートフォンゲーム業界において、ピラミッド社ならではの強みはどこにあると考えていますか?

柏木

長くゲーム開発に携わってきたメンバーが多いため、昔ながらのゲームづくりを今でも実現できること、日本の長いゲーム史の中にある様々な意志や文脈、物語を引き継ぎながら連続性を持って開発を手がけられていることが当社の特徴ではないかと思っています。

坂本

アリスギアはそれこそ、柏木さんも以前関わっておられた「ダライアスバーストシリーズ」や「武装神姫バトルマスターズ」 の系譜を継いでいますよね。過去からの連続性をここまで保持している会社はなかなか存在しない印象があります。

柏木

良くも悪くも人材の入れ替わりが少ないことも、連続性の維持に影響しているかもしれません。アリスギアは初期からほぼ変わらないメンバーで開発・運営を続けているので。

プロジェクトチームがメンバーをほぼ失うことなく続いているのはとても珍しいことだと思うのですが、それが実現できている理由はどこにあるのでしょうか。

柏木

やはりタイトルへの‟こだわり”の強さだと思います。自分たちがおもしろいと思うものを作り、それを多くの方に楽しんでいただきたい。そのこだわりが、長くアリスギアに携わる原動力になっているのかなと。実はアリスギアは、コロプラの馬場さんから「他の仕事の合間に好きなものを作ってみたら」と言っていただいたことがきっかけで生まれたタイトルなのですね。本当に自分たちの好きなように作ったゲームでした。開発ラインの再編などの都合で本来であれば、日の目を見ることなくクローズする運命だったんですが、ある日の会議の場で馬場さんにアリスギアをお見せしたところ、「おもしろいからリリースしよう」と言っていただいて、今に至っているんです。

坂本

そうした「おもしろい体験」に対する感覚の鋭さを含め、ピラミッド社は本当に強みが尖っています。コロプラとしては、グループ各社に突き抜けた特徴があることが重要だと思っていて。お互いに異なる強みを持ち、それを磨いて掛け合わせていくことで、グループ全体として多様な方におもしろいゲームを届けていけるのだと考えています。

二社がタッグを組むことで、どのような取り組みが実現可能になると思いますか?

坂本

コロプラはこれまで「位置ゲー」などを強みとしながら、より幅広い層をターゲットに据えてゲーム開発に取り組んできました。一方で、ピラミッド社はターゲットを限定し、解像度を極限まで高めることで人気作品を生み出してきた。そのノウハウや知見をお借りすることで、中期経営方針で掲げた「Global Top 20」という目標の達成に近づけるのではないかと思っています。具体的には、IP活用の文脈などでピラミッド社と密な連携をとった施策を展開できるのではないでしょうか。

柏木

僕はこれまで様々な会社で仕事をしてきましたが、特にインフラ管理においては、コロプラは業界No.1に匹敵するほど優れた技術を持っていると感じます。アリスギアもこの8年間、一度も運営を止めたことがなく、コロプラの技術なくしては成り立たないタイトルです。

運営を止めずにメンテナンスを完了させる技術は、ゲーム業界全体の技術力が向上した今もなお、当たり前のものではありません。それが実現できるのは、インフラを担うチームがしっかりとした体制を作り、常に最適解を探しながら新技術をフットワーク軽く取り入れているからだと思います。コロプラ社内の皆さんはもしかするとインフラ管理力の高さは当然のことと考えているかもしれませんが、我々から見れば本当にすごい技術です。

そうしたコロプラと連携を強化すれば、「どのような企画でもきっと実現できる」という安心感がありますし、世界の競合とも互角に戦えるのではないかと思います。今後も当社とコロプラの強みを掛け合わせながら、新しい体験を作っていけたらと考えています。

ちなみに現在、二社で連携したプロジェクトは何かあるのでしょうか。

坂本

まだ詳細はお伝えできないのですが、コロプラとピラミッド社でタッグを組んで新作を開発中です。最近はスマートフォンやPC、テレビなど、ゲームを楽しむ場所が細分化しているため、我々としても多様な形態でユーザー様にゲームを届けていけるよう工夫しなくてはならないと考えています。「これはやってみたい」と思っていただけるような新たな体験を準備していますので、情報の解禁まで今しばらくお待ちいただけたらと思います。

厳しい市場環境の中で「おもしろい遊びの開発」にこだわる

先ほど坂本さんのお話に出てきた「Global Top 20」について、中期経営方針の中でこの目標を掲げた理由を教えてください。

坂本

コロプラは「“Entertainment in Real Life” エンターテインメントで日常をより楽しく、より素晴らしく」というミッションを掲げています。これが叶った状態を言語化して浮かび上がってきたのが、コロプラから生まれた新たな体験、エンターテインメントを世界中の人たちが楽しんでいる姿でした。そうした状態に到達できたとしたら、おそらく世界のゲーム市場で売上がトップ20位に入っているはずですので、「Global Top 20」という目標を新たに定めました。

「Global Top 20」を達成するためには、どのような要素が必要だと思いますか?

坂本

中期経営方針で挙げている「海外市場への積極的展開」「有力IPの活用」「新しいUXの提供(唯一無二のものづくり)」という3つの戦略の遂行を前提として、多岐にわたるケイパビリティが求められると思っています。だからこそ、コロプラの持つ強みとグループ各社の尖った強みを掛け合わせなければ、「Global Top 20」は達成できないと考えています

中期経営方針に関連し、昨今のゲーム市場をどのように捉えているか、お二人の所感を伺いたいです。

坂本

僕が危機感を抱いているのは、ゲーム市場においてコンテンツが飽和しているということです。個々人の余暇時間に対して、リリースされるゲームが非常に多い。すると、多くの方は期待値の高いタイトルや認知度の高い作品を選ぶようになるでしょう。あるいは、自分が信頼しているインフルエンサーや友人が勧めたものを遊ぶかもしれません。特にデジタルネイティブ世代は本当に合理的で、「試しにプレイしてみたけれどおもしろくなかった」という体験をそれ以前の世代よりも嫌う傾向があります。だからこそ、これからのゲーム市場は“勝者総取り”で、長く愛されてきたIPの独り勝ちになる可能性が高いです。

AIなどの発展でゲームを作ること自体は簡単になってきていますが、その分ユーザーにとっては、市場に出回る作品の中に期待外れだと感じるものも多くなります。新しい体験を伴う作品や一度プレイしてみなければそのおもしろさが分からない作品は、より一層遊ばれにくくなる気がしています。

柏木

おもしろいゲームを作るのは当然として、これから先はどうやって世の中に届けていくのかが大きなポイントになりそうです。特にスマートフォンゲームは、すでに15年以上の歴史があります。ゲーム史上、PC以外の単一のプラットフォームがここまで長く利用されたことはありません。ゲーム開発者として未経験の状況で、市場は激烈なレッドオーシャンになっているため、本当に難しい戦いに直面していると感じます。

コロプラグループは「‟新しい体験”を届ける」ことを大切にしています。新しい体験は一度触れてみなければおもしろさが分からないかと思うのですが、昨今の「未知の体験を遠ざける傾向」をどのように突破していくのでしょうか?

坂本

いろいろな戦略が考えられますが、ブランド力のあるIPと組んだゲーム開発はひとつの手段としてあり得ると思います。また、ピラミッド社のようなユーザーや‟界隈”に対する解像度の高さを武器に、特定のターゲットに体験を確実に届けていくことも可能でしょう。さらに、「位置ゲー」や「生成ゲー」といったジャンルを連続性を持って提供し、体験への信頼度を高めていくのも重要だと思っています。

柏木

加えて、開発会社の我々の立場としては、自分たちがおもしろいと思うものを作っていく必要があると考えています。なかなか難しい市場環境ではありますが、自分たちが自信を持っておもしろいと言えるものを作ることに尻込みをしてはいけないと思っています。

坂本

そうですね。そこがゲーム作りの本質ですよね。

柏木

当社では、売れそうだから作るのではなく、「これを作ったらおもしろい」と思えるもの、遊んだ人に「これは絶対におもしろい!」と思ってもらえるようなものを作るという姿勢を以前から重視しています。

坂本

ゲーム業界は現在の状況のまま進んでいくと、いずれ「どうせどれも同じ体験だろう」と思われる日が来てしまうと思います。スマートフォンやPCなど、特定のプラットフォームから出るゲームはすべて既視感のあるものになってしまう。すると、プレイヤーとしてはそのプラットフォームで新しいゲームを遊ぶ動機が消失するので、市場はどんどん縮小してしまうでしょう。しかし、「この会社はいつもおもしろいゲームを作ってくれる」という信頼感があれば、きっとこの先もユーザー様に選ばれ続けることができるはずです。だからこそ、ピラミッド社のように、おもしろいゲームにこだわって開発し続けるのが大切なのだと思います。

デバイスにとらわれず、高品質な新しい体験を届け続ける

10年後を見据えた今後の展望をお聞かせください。

坂本

未来予測は非常に難しいものですが、僕としては、ゲームプラットフォームとしてのスマートフォンがこの先も続くというイメージを持っていません。10年後にスマートフォンが残っていたとしても、そこにゲーム体験を求める人はほぼいなくなっているのではないでしょうか。我々としては、スマートフォンにとらわれず、高品質な新しい体験を様々な形で届けていく必要があると思っています。この先どのようなデバイスが出てきたとしても、コロプラの強みである「位置ゲー」、あるいはリアルな世界と連携するような体験づくりは今後もニーズがあり、成長していくジャンルだと考えています。引き続き強みを磨きながら、多くの方の日常をより楽しく、素晴らしく彩るようなエンターテインメントを生み出していけたらと思います。

柏木

10年後もデジタルエンターテイメントは残っていると思うので、我々としてはそれがどのような形態であっても、引き続きおもしろいゲームを作り続けていくだけだと考えています。

坂本

コンテンツが飽和している中で、何がユーザー様に選んでいただけるポイントになるのかというと、ゲーム誕生の裏側にあるストーリーや文脈だと感じています。つまり、誰が開発に関わっているのか、そのゲームが生まれるまでにどのようなストーリーラインがあるのかといったことが、ユーザー様を惹きつける重要な要素になっているのですね。その意味で言うと、ピラミッド社の持つ今日までの連続性は、この先も非常に有利に働くのではないかと思います。

最後に、この記事を読んでいただいた方へメッセージをお願いします。

柏木

坂本さんからもアナウンスがありましたが、当社では現在、アリスギアの運営を続けながら、新作ゲームの開発に取り組んでいます。‟新しいおもしろさ”を作れているのではないかと思うので、ぜひ楽しみにしていただきたいです。

坂本

現在のゲーム市場では、既存IPが大きなパワーを持っている一方で、彗星のごとく現れた新規IPが大ヒットすることも珍しくありません。そうした「新しい体験のヒット」を生み出すためには、作り手の作家性はもちろん、これまでの常識や体験の延長線上にないところからニーズを発掘する力が求められます。そうした力をピラミッド社はすでに持っており、これからも多くの方を驚かせるようなエンターテイメントを生み出せる会社だと感じます。コロプラグループとしてもピラミッド社を全力でバックアップし、連携をさらに深めながらゲーム開発に取り組んでまいりますので、今後の動向にご期待いただければ幸いです。


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