「プランナー」というと、「ゲームの企画を考える仕事」くらいの漠然としたイメージの人も少なくないと思います。実は、彼らの仕事は企画考案に留まらず、それを具現化してリリースするまでのあらゆる業務をこなし、とにかく多岐に渡ります。
今回、お話を伺ったプランナーのK.S.さんも、入社前はプランナーの仕事にぼんやりしたイメージしか持っていなかったそうです。ゲーム作りが未経験でコロプラに新卒入社し、手探りでプランナーの仕事を体得していくまでの成長ストーリーをお聞きしました。

2020年新卒入社 エンターテインメント本部 スタジオⅠ プランナー
- K.S.
大学と大学院で、都市計画やまちづくりについて学ぶ。
2020年コロプラに新卒入社。プランナーとして他社IPを使用したパズルゲームに携わる。2021年より位置情報を活用した大型IPタイトルに配属され、新規イベントを主導した。
好きなエンタメはマルチでの協力/対戦ゲーム。「FF14」は長くプレイしており、「ストリートファイター6」や「Shadowverse: Worlds Beyond」は見るのもプレイするのも好き。漫画は「ハイキュー!!」が個人的な人生の教科書で、ことあるごとに読み直している。
趣味はウォーキングで、近所の新しい店を見つけたりと小さな発見を楽しんでいる。
就活2年目でゲーム業界に舵を切る
大学と大学院で都市計画を学んでいました。そのため就職活動では、不動産業界か建設業界に行くつもりでインターンを受けていました。ところが、次第に自分がやりたいことと違うように感じはじめたのです。
僕の地元は下町で、よく近所の公園でお祭りやイベントが催されていました。都市計画に興味を持ったのも、地域の公共スペースを使って住民の方々が楽しく過ごせるまちづくりっていいなという思いからでした。しかし、不動産業界や建設業界の企業にとって仕事とは、「街に建物を建てて売ることがメインで、公共スペースやそこでの催しはあくまで付加価値」という風に僕には感じられました。
僕が都市計画を学んでやりたかったことは、「もっと日常的にエンタメがある街づくり」でした。それには大学時代にジャグリングのサークルに所属していたことが影響しています。演者としてエンタメを提供し、道行く人に楽しんでもらった経験が、自分の中で大きかったのです。
就活に疑問を抱いたとき、自分がやりたいことは、「人にエンタメを提供することそのものが価値となる仕事」と考え直しました。もともと大のゲーム好きだったこともあり、就活2年目でゲーム業界に大きく舵を切ったのです。
コロプラに入社した決め手
いろいろなゲーム会社の説明会やインターンで話を聞くうちに、都市計画とゲームは「重なる部分がある」と思うようになりました。特にスマホゲームは、家で腰を落ちつけて遊ぶコンシューマーゲームとは違い、いろんな場所で遊ぶものなので、僕が考えていた「日常的にエンタメがある街づくり」と近い方向性に思えたのです。
中でもコロプラの"Entertainment in Real Life"というミッションが、すごくしっくりきたので応募しました。ミッションに共感できたことが一番の理由でしたが、コロプラの社員の方々が、すごく丁寧に接してくれたことも決め手になりました。
面接のフィードバックも形式的な感じではなく、ちゃんと一人ひとりを見て、細かなところまでフィードバックを返してくれたり、面接後に社員の方々とランチをご一緒した際も、とてもフレンドリーに接してくれ、すごく働きやすそうな会社だと思いました。
プランナーのイメージとリアル
プランナー職を選んだのは、プログラミングやデザインの経験がない自分でも受け入れられやすい職種だと考えたからです。それまで都市計画でプランニングを学んでいたので、その部分は活かせそうだと考えていました。
入社後は2カ月ほど研修を受け、プランナーの業務内容やゲーム作りの流れや企画の考え方といった基礎を学びました。6月からは他社IPを使用したパズルゲームに配属され、先輩プランナーと一緒にOJTで仕事を覚えていきました。
最初の業務は、新規キャラクターのスキルや演出の企画、その後は全体的なバランス調整なども行いました。それから定期的に開催されるイベントも任されるようになり、遊びの要素の企画にも徐々に携わるようになりました。
入社前の僕は、プランナー職に対して「ゲームの企画を考えて、いろんな人と協力して形にする」くらいのイメージしかありませんでした。実際にやってみると、とにかく業務範囲が広く、ユーザーさまに面白いゲームを届けるために、「自分にできることは全部やる!」という感じでした。

プランナーの企画の考え方
入社2年目からは、位置情報を活用した大型IPタイトルに配属されました。それまでの業務とは違い、イベントごとに毎回遊びの要素が異なるので企画を一から作り上げていく感じでした。
企画は、ユーザーさまに「どんな体験を提供したいか」で変わってきます。たとえば有名なキャラクターをより知ってもらいたい場合はバックストーリーを考えたり、既存のバトル体験を変えたい時は特定の要素を強化したりという風に、軸となるモチーフに肉付けしていきます。
配属されたタイトルではプレイヤーキャラクターにも敵にもパラメーターがあり、さらに位置情報の要素もあるので、企画設計の難易度も上がります。当然、プランナーとして見なければいけない範囲も広く、最初は自分の力不足を強く感じました。
今ではそこまで時間を掛けずにできる業務も、当初は企画に時間を費やし過ぎて、他セクションの方にご迷惑をお掛けすることもありました。効率を上げるスキルやメンバーとの調整力など、自分の能力以上のことを伸ばしていかないと、さばき切れないことを実感しました。今は、全体的にプランナーのスキルが徐々に伸びてきたことを実感しています。
プランナーの醍醐味とやり甲斐
新規イベントでは、プランナー数名、エンジニアとデザイナーが数名のチームが組まれるのですが、現在はチームをリードする役割を任されています。企画を考えるだけでなく、業務の割り振りや進行管理など、イベント全体を見る立場です。
最近は超人気IPとのコラボイベントを主導しました。絶大な人気を誇る2つのIPのコラボは初のことなので、告知の段階から多大な反響がありました。
既存ユーザーさまは「タイトル側IPの世界観を壊してほしくない」という思いが強いですし、コラボイベントから入った新規ユーザーさまは、コラボしたIPの世界観を期待されます。両方のユーザーさまを満足させなければいけないので、かなりのプレッシャーでした。
コラボIPの設定を取り入れたアイテム収集や長距離移動機能といった、これまでにないゲーム要素を追加したのですが、幸いなことに両方のユーザーさまから好評でホッとしました。
プランナーの仕事の醍醐味は、ゲームをユーザーさまに届け、反響を見ることにあります。ときには予想もしなかった楽しみ方をされるユーザーさまもいます。たとえば「長距離移動機能なしにアイテムをコンプリートした」という方もいて、それだけ熱量高く遊んでもらえたことがうれしかったです。
コロプラの開発環境とカルチャー
コロプラには、職種の垣根を越えて、より面白いものを作っていこうとする文化があります。たとえば、プランナーがやった方が円滑に進んだり、クオリティの高いものができるのであれば、業務範囲を超えて取り組みます。
下手くそで申し訳なかったですが、僕もスキル演出の絵コンテを描いたり、実装されたアセットの設定を調整したり、自分にできることは最大限やるようにしていました。
もちろん逆もあります。デザイナーさんやエンジニアさんから、「こういう仕様にした方が、もっと面白いのでは?」といった提案をされることがよくあります。お互いをリスペクトしつつ、ユーザーさまにより面白い体験を届けるにはどうしたらいいかをそれぞれが考え、活発に意見を交わす環境です。
上司や他職種の人に相談しやすい雰囲気なので、僕もよく相談します。直接、席に行って相談することもあれば、立ちミーティングスペースで気軽に相談することもあります。そうしたスペースでは、上下関係はあるもののフランクに気がねなく話せるんです。
プランナーとして成長したこと
入社1、2年目は、自分の仕事に精一杯でしたが、今はイベントチームをリードしていく立場にあるので、さまざまな人とコミュニケーションを取りながら制作を進めています。
人と一緒にゲームを作っていく際、認識に違いがあるとスムーズに制作は進みません。認識のズレをなくすには、自分のイメージや考えを的確に伝える能力が求められます。僕の場合、「ユーザーさまにこんな体験を届けることができれば、その結果、こういうメリットがある」というふうに筋道立てて説明するようにしています。
プランナーには「面白い体験」の蓄積も大事だと思います。自分のイメージを伝える際、相手も似たような体験をしていると、それが共通言語になって円滑に進むことがあります。たとえば、僕は引き出しが少ない方なので好き嫌いせずに色んなエンタメに触れるようにしているのですが、そうした蓄積があると、それを引き合いに出してイメージを伝えやすくなります。
今後チャレンジしたいこと
入社前の僕はゲーム作りが未経験でしたので、運用タイトルに携わることで、ゲーム作りの基礎や、ユーザーさまとのコミュニケーションを最初の5年間で学んでいきたいと考えていました。
そして次の5年間では、「新しい体験を届ける」ことに貢献したいと思っています。これまでは運用タイトルだったので、既存のゲームに新しい要素を追加していくかたちでしたが、今後は、この世にまだ出ていない新しいゲーム作りにチャレンジしたいです。
また、これまでは自分の見える範囲に関して「全力でがんばる」という働き方でしたが、もっと視野を広げ、自分以外の人のことも見られるようになりたいと思っています。
入社5年目になり後輩も増えてきました。自分が先輩から教わることで力を伸ばしてきたように、僕が後輩を見られるようになれば、チーム全体に貢献できるのではないかと思っています。
こんな人と一緒に働きたい
コロプラには、面白いこと、楽しいことに前向きな人が多いです。職種の垣根を越えて、誰が提案したとしても、それがユーザーさまにとって価値ある体験であれば、一丸となって取り組もうとします。「実装が大変そうだから、やめておこう」と考える人は、まずいません。
みんなで一緒に考えてゲームを作っていけることに、この仕事のやり甲斐があると思っています。ですから、一緒に働きたい人としては、面白いこと、楽しいことに前向きに行動できる人を歓迎します!
ときには自分が思っている面白さと、メンバーが思う面白さ、ユーザーさまが思う面白さ、それぞれが違う場合もあると思います。そうした認識のズレをなくすためにも、さまざまな意見を取り入れられる柔軟な人が、プランナーに向いていると思います。
あとは、いろいろ大変なこともありつつ、最後までやり切る粘り強さがあるといいですね。入社時の僕も粘り強さがなかったのですが、仕事を通して鍛えられました(笑)。
インタビュー・執筆
大寺 明

