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コロプラの「現在地」を発信するメディア

データサイエンスグループが中核を担う。ゲーム運営から新作ゲーム開発まで

データ分析を通じて、コロプラで行われている様々な事業・業務の意思決定を支えているCIO室 データサイエンスグループ。この部門では、国内から海外まで幅広いデータを扱いながら、よりおもしろいゲームをユーザー様にお届けし、コロプラがさらに成長していくために必要な施策を実施することに貢献しています。

データサイエンスグループでは現在、社内のデータ分析価値の向上を目指し、採用を強化しています。そこで今回、データサイエンスグループを管掌する上席執行役員 CIOの菅井健太と、同グループマネージャーの宮垣拓弘にインタビューを実施。データサイエンスグループが担う役割やミッション、業務内容、仕事のやりがい、求める人物像などを詳しく聞きました。

上席執行役員 CIO(Chief Information Officer)

菅井 健太

2010年6月にサーバーサイドエンジニアとしてコロプラに入社。アプリケーション開発を担う。その後、ディレクターとして事業開発に従事。また、サーバーの問題解決に取り組む社内横断プロジェクトの立ち上げにも携わる。2024年12月より現職。現在はサーバーやインフラなどゲームの土台となる部分を管掌しながら、AI活用の推進にも従事している。

CIO室 データサイエンスグループ マネージャー

宮垣 拓弘

新卒でシステムエンジニアとして就職。1年半ほど仕事をした後、データ分析を専門とするコンサルティング会社に転職し、ソーシャルゲームのデータ分析に興味を持ったことから、2022年にコロプラへと入社。CIO室 データサイエンスグループで現場のデータ分析業務を行いながら、 マネージャーとして部門のマネジメントも担う。

コロプラのデータサイエンスグループとは

改めて、データサイエンスグループの概要を教えてください。

菅井

データサイエンスグループは、社内の各事業で取得したさまざまなデータを用いながら、ゲーム運営の課題解決に取り組む専門チームです。ミッションは、主にゲーム開発・運営部門と連携し、データを有効活用してゲーム事業の売り上げや利益を最大化すること。もう少し具体的に言えば、ゲーム内でユーザー様がどのように動き、我々の打った施策にどんな反応をしたのかを各種データをもとに分析し、必要があれば改善施策まで提案する仕事を担っています。

コロプラのデータサイエンスグループの特徴や強み、優位性は、どのようなところにありますか?

宮垣

ゲームには必ず「データを出力する仕組み」が備わっており、社内にデータ集計の基盤づくりを担うデータエンジニアチームもいるため、他の業界と比較すると、かなり整ったデータを扱えるのは優位な点だと思います。「どのデータをどのように取得すべきか」という根本的な部分から考えたり、得られたデータを分析用に前処理する手間が少なかったりと、課題に対してすぐに分析に取り掛かり、プロジェクトに集中できるのは強みのひとつです。また、ソーシャルゲームの場合は週単位の運用が基本ということもあり、あらゆる施策にスピード感があります。全社的に意思決定も早く、我々の提案した施策が必要なタイミングですぐに実行に移されるのも、コロプラならではの強みと言えるのではないでしょうか。

菅井

開発チームとの距離の近さも、特徴的ですよね。

宮垣

そうですね。現場との距離が近く、ディレクターなどの意思決定者と日頃から密にコミュニケーションをとり、課題の内容や分析したいデータ、解決策などについて話し合っています。現場と一体となって「よりおもしろいゲームをつくる・育てる」というところに携われているのも、コロプラのデータサイエンスグループの特徴であり、仕事の醍醐味だと言えます。

データ分析で事業の意思決定を支える

日々の業務の流れを教えてください。

宮垣

データ分析業務は、ゲーム運営に携わるディレクターやプランナーからの相談を起点として始まることがほとんどです。現在抱えている課題について相談を受け、その内容を詳しくヒアリングした後、私たちのほうでどのようなデータを見ていくべきか検討します。そして、実際にデータを分析。結果を出力し、課題を根本的に解決するための施策提案も含めて、ディレクターやプランナーにフィードバックをしています。データを用いて各事業の意思決定を支援するのが、私たちに求められている大きな役割です。

そうした業務は、どのような体制で担うことが多いのですか?

宮垣

課題のヒアリングからデータ分析、最終的なレポートまで、基本的には一人で担当しています。もちろん、すべてを一人で完結させる必要はなく、分からないことがあれば部署のメンバーに聞くことができますし、分析の方針や手法は私や他のメンバーがレビュアーとしてサポートします。

データサイエンスグループでは、常時どれくらいのプロジェクトが動いているのでしょうか。

宮垣

現在、私を含めて4人のメンバーがデータサイエンスグループに所属しており、注力するプロジェクト数も常に3~4個ほどあります。そこに単発で発生した分析依頼などが加わるため、データサイエンスグループのメンバーは常に複数個のプロジェクトを動かしているイメージです。

業務の中では、やはり他部署とコミュニケーションをとる機会も多いのですか?

宮垣

そうですね。先ほども少しお話したディレクターやプランナーに加え、ゲームのデータを抽出し、必要なデータを用意してくれるサーバーエンジニアやクライアント側のエンジニアともやり取りが発生します。加えて、マーケティング施策を振り返るためのデータ分析を行うことも多く、マーケティング部門のメンバーともコミュニケーションをとることは多いです。場合によっては、経営層へのフィードバックを行うこともあります。

部門として大切にしている仕事の仕方があれば、教えてください。

宮垣

各事業で抱えている課題の内容を丁寧に聞き取り、問題の本質はどこにあるのかをしっかりと考えることを大切にしています。課題を正確に把握するためには、ディレクターやプランナーと密なコミュニケーションをとるだけでなく、担当タイトルがどのようなゲームなのかをしっかりと理解する必要があります。そのため、自分が担当するタイトルは必ずプレイし、ユーザー体験を持つことを部署全体で最重要視しています。

具体的なプロジェクト事例もお聞きしたいです。直近で解決した課題などがあれば、その内容を教えてください。

宮垣

課金施策の検討に携わった例を紹介させていただきます。先日あるタイトルで、ユーザー様のプレイ体験を向上させるため、ガチャの設計を見直すデータ分析を行いました。具体的には、一定の回数ガチャを引くとレアアイテムやレアキャラなど欲しいものが手に入る「天井」の基準を、現在設定しているものよりも下げるかどうかを検証。天井を下げたときの売上予測やユーザー動向、考えられるメリット、デメリットをレポートとしてまとめ、最終的な施策の意思決定に貢献しました。この他にも、ゲーム内イベントの反響や新機能を追加した際のユーザー様の反応などを追うケースもあり、日々さまざまなプロジェクトを進めています。

コロプラでは中期経営方針の中で「海外市場への積極的展開」を掲げていますが、データサイエンスグループとしてグローバルにデータ分析を行う機会もあるのでしょうか?

宮垣

そうですね。『白猫ゴルフ』や『神魔狩りのツクヨミ』は海外でもリリースしているタイトルなので、グローバルなデータを扱う機会は多々あります。ゲームから抽出するデータだけでなく、ユーザー様へのアンケートデータなども活用しており、海外のユーザー様の生の声を聞けるのは、この仕事のおもしろい点かもしれません。今後もグローバルなデータ分析は必要に応じて取り組んでいくべきだと感じています。

菅井

『神魔狩りのツクヨミ』や『Brilliantcrypto』など、グローバルに配信しているゲームの各種データを見ていると、やはり国によってユーザー様の動き方が異なる部分は多少なりともあると実感します。ただ、コロプラとして各国・地域の傾向を完全には把握できていないため、今後データサイエンスグループの業務の中で一定の法則などを見出せるのであれば、新作タイトルの企画やPR、施策実施などで活かしていけるのではないかと思います。グローバルなデータ分析は、世界的なヒット作を生み出すための土台となる重要な仕事だと僕は捉えています。

成果が見えやすく、成長できる環境がある

コロプラでデータサイエンティスト/アナリストとして働く魅力はどのようなところにあると思いますか?

宮垣

「ゲーム」という自分の生活の身近なところにあるものを扱うため、自分が携わった施策の成果をダイレクトに実感できる点は、この仕事の醍醐味のひとつだと思います。SNSやゲーム内のデータなどを通じてユーザー様の反響を確かめられるのはもちろん、自分の提案した施策が形になったものをゲーム内で実際に目にできるので、成果は目に見えやすいです。施策がうまくいき、担当プロジェクトのユーザー数や売上の増加につながったときは、やはりやりがいを感じます。

コロプラだからこそ得られる経験や成長実感について教えてください。

宮垣

大きく2つあります。1つ目が、やりたいことにチャレンジできることです。データサイエンスグループでは、基本的には自分が担当するプロジェクトの課題の特定から分析手法の選定、最終的な施策提案までのあらゆる部分を自分で決めて、業務を進めていくことができる裁量があります。もちろんやり方が決まっているプロジェクトもあるのですが、場合によっては、やりたい分析手法を試すなど、積極的なチャレンジが可能です。ただし、限られたリソースや期間でビジネスの価値を最大化するため、なんでもやれば良いというわけではなく、その分析手法をやろうと思った理由やその妥当性等は前提として考える必要はあります。挑戦する上で障壁となるものがあれば、私がフォローやバックアップをします。実際に現在、生成AIを使ったデータ分析の業務効率化なども手がけているところなので、新たなチャレンジを重ねていく中でデータサイエンティストとして成長できる部分は大きいように思います。

2つ目が、新しいプロジェクトに触れる機会が多いことです。コロプラは常に新しいゲームを開発し、定期的に新規タイトルがリリースされています。そのため、既存タイトルをずっと見続けるだけでなく、新たなタイトルで分析を行うこともできるため、扱うデータやチャレンジの幅が広がります。定期的に新しい世界に触れることが好きな人にとっては、とてもおもしろい環境が待っていると思います。

部署として抱えている課題があれば、お聞かせください。

宮垣

この職種のトレンドと通じるところではありますが、コロプラのデータサイエンスグループも人手が不足している現状があります。この部門は現在、入社歴の浅いメンバーで構成されているため、チームをリードしていくメンバーが不足していると感じています。また、データを使った事業戦略の立案など、会社の未来に貢献できるような仕事ができる人材も不足しており、これから入社される方には、ぜひ将来的にマネージャーなどに就任し、部門全体、会社全体の未来を見据えて仕事をしていただけたら嬉しいです。

今後どのような方に仲間に加わってほしいですか?

宮垣

この仕事では、課題の本質はどこにあるのかを考えながら、最適な分析手法や解決策を探っていく必要があるため、自ら主体的に考えて行動できる方にぜひ来ていただきたいです。ゲーム業界での経験は必要ありませんが、ゲームやエンターテインメントへの興味は必須だと考えています。先ほども触れたとおり、各事業のデータ分析を行う上では、前提として担当タイトルをプレイすることもあるため、日頃からゲームに興味を持ち、遊んでいる方ですと親和性が高いです。

菅井

ゲーム開発の現場でもさまざまな数字を見ながら開発を進めていますが、事業の確実性を高めるためにも、やはりデータサイエンスグループのようなデータ分析・課題解決の専門家は必要だと感じます。ユーザー様にとって本当におもしろいゲームを作るためにも、ゲームコンテンツに触れ、ゲームの世界にある文脈はやはり最低限理解しておいていただきたいです。そうでなければ、現場から寄せられる課題を深く正確に理解することはできませんし、課題の本質を見抜くことも、ユーザー目線で最適な施策を検討することも難しくなってしまうと思います。

データ分析を行う際、RやPythonなどの分析ツールを使うことも多いかと思いますが、そうしたツールの使用スキルや統計学の専門的な知識は必須でしょうか。

宮垣

統計学を理解し、Rなどを使えるスキルがあると大変ありがたいですが、必須ではありません。もちろん、入社後にこれらを学ぶモチベーションは高いという前提ではありますが、これらのスキルや知識は入社後にキャッチアップしていただいても問題ないと考えています。ただ、実際の分析以前の作業として、必要なデータを自身で抽出する必要があるため、SQLやBigQuery等を用いてデータの抽出を行った経験、また数値データを見て何らかの意思決定をした経験や課題解決を行った経験は最低限求めたいところです。データアナリストやデータサイエンティスト以外の具体的な職種で言えば、ゲームプランナーの経験がある方やゲーム業界・エンターテインメント業界に興味のあるコンサルタントの方などは、私たちの仕事にマッチする可能性が高いと考えています。

中途採用で入社した場合、どのようなフローで業務をキャッチアップしていくのでしょうか?

宮垣

まずはコロプラで扱っているデータの形式や種類などを学んでいただきます。そのため、最初は分析の知見がたまっている既存タイトルからプロジェクトに加わっていただくことが多いです。そこでデータの扱い方や業務の流れを掴んでいただいた後は、新作タイトルのデータ分析を担当したり、既存タイトルをそのまま担当したりと、その方のバックグラウンドと希望によってふさわしいプロジェクトにアサインします。

データ活用の文化を浸透させ、さらなる成長の土台を築く

データサイエンスグループの今後の展望をお聞かせください。

菅井

データサイエンスグループには、コロプラのデータ活用をより一層推進していく役割を期待しています。社内全体を見渡すと、データの取得方法や扱い方など、「データを正しく扱う力」という点にはまだ伸びしろがあると感じています。
そのため、データサイエンスグループだけでなく、現場でもデータを使いこなせる人が増えていくことで、企画段階での課題発生を未然に防ぐような対応も可能になると思います。ソフトウェア開発でいう「Shift Left」のように、企画の初期からデータの視点を取り入れ、問題が起きる前から専門的な分析を行うことで、事業の成長角度やスピードをさらに高められるはずです。
より面白いゲームを世の中に届けていくためにも、データを軸にした仕組みや基盤を社内に築いていけたらと考えています。

宮垣

菅井の話にもあった通り、データ活用の文化は社内にしっかりと定着させていきたいところです。そのためにも、データを意識した施策設計の仕方や、取得できた数値の見方などをレクチャーする研修会などを開催していきたいです。数字の変化に対して自ずと疑問を抱けるような、数値からさまざまな意味を見出してそれを施策に反映できるようなメンバーを社内に増やしていけたらと思っています。そうしたベースが築けたうえで、我々がより専門的な分析を担うことで、コロプラのさらなる成長に繋がっていくのではないでしょうか。

菅井

アンバサダーのような形で、各部門、各チームにデータを正しく確認できるメンバーを育成していけたらいいですよね。その人をハブとしてデータ分析を進めていくことで、社内のデータドリブンな意思決定力は着実に高まっていくと思います。そのためにも、やはりデータサイエンスグループには引き続き現場とのコミュニケーションを大切にしながら、主体性を持った仕事の仕方をしていってほしいです。

最後に、コロプラのデータサイエンティスト/アナリストに興味を持っていただいている読者に向けてメッセージをお願いいたします。

宮垣

コロプラが主戦場とするモバイルゲーム業界は、日進月歩で激しい変化の起こる業界です。月単位、年単位で新しいタイトルが次々に誕生し、情勢が大きく変わるため、非常にチャレンジングな環境だと感じます。変化を楽しめる方にとっては、日々おもしろがりながら仕事をしていただけるのではないでしょうか。そして、コロプラは最新のテクノロジーを使いながら、新しい物事にチャレンジし続ける会社です。そうしたカルチャーの中で、データサイエンスグループとしても新たな分析手法などに挑戦できる環境があるので、今回の記事を読んで「自分もチャレンジングな環境でデータ分析に携わってみたい」と興味を持っていただけたら、ぜひご応募いただけましたら嬉しく思います。

菅井

この1~2年ほどで、生成AIは私たちの仕事や生活に徐々に浸透しつつあります。どこへ行っても生成AIのうまい活用が求められ、場合によっては自分自身とAIとの競争や差別化を意識しなければならない中で、多くの人が焦燥感や疲弊感を抱き始めていると感じます。だからこそ、これからの社会は、日々の楽しみを提供するエンターテインメントの価値がさらに高まることでしょう。そうした中で、コロプラとしては、今後も引き続き新しい体験、よりおもしろいエンターテインメントを多くの方にお届けするべく事業に邁進していきたいと考えています。新しい体験・エンターテインメントづくりに挑戦し続けている会社だからこそ、データサイエンティスト/アナリストとして触れられるデータの幅は広がります。先ほど宮垣が話していた通り、コロプラには挑戦する文化もありますから、皆さまが最適だと考える分析手法などもいろいろと試していただける環境があります。目の前の仕事をおもしろがりながら、成長できる職場だと思いますので、ぜひ私たちと一緒に会社や事業の成長に資する良い仕事をしていきましょう。皆さまにお会いできるのを楽しみにしております。

インタビュー・執筆
市岡 光子