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日本画専攻から3Dモデラーへ──“造形力”でキャラクターに命を吹き込む

2Dのデザイン画から3Dモデルを作り上げ、ゲームタイトルの世界観を表現する3Dデザイナー。
今回は日本画専攻から3Dデザイナーの道に進んだ鈴木さんにコロプラに新卒入社したきっかけ、これまでのキャリアやデザイナーとしてやりがいなどお話を伺いました!

エンターテインメント本部 Dスタジオ 第5グループ 第1チーム マネージャー補佐(2020年新卒) 3Dデザイナー

鈴木 海

美術大学の日本画専攻で、テンペラ画など古典的な技法を中心に広く学ぶ。芸術祭で採用担当者から名刺をもらったことで、コロプラに興味を持つ。インターンを経験して、2020年コロプラに新卒入社。『とらべる島のにゃんこ』をはじめ、運用タイトルや新規開発で3Dデザイナーを務め、現在は他社IPを扱うタイトルを担当。2025年4月1日よりマネージャー補佐に就任。

趣味はボウリング。涼しい場所で運動した気分になれるので好きというマイペース派。
好きなエンタメは映画で、ホラーとロードムービーが特に好き。おすすめは「リング」「ダージリン急行」「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」
今後の目標は、デジタルも含めていろいろな画材に触れ、表現の幅を広げていくこと。

現在の担当業務

現在は主に3Dモデリングを担当しています。プロジェクトによっては2Dデザインの制作から携わることもありますが、基本的には2Dデザインをもとに3Dモデルを起こす業務が中心です。特にIP作品では監修元との連携があるため、世界観や意図をくみ取った調整力が求められます。

マネージャー補佐としては、チームメンバーとの1on1、業務進捗の確認、さらには採用選考も担当しています。最近では、新卒研修のカリキュラム設計や3D学習資料の作成など、若手育成にも関わっています。

コロプラに入社したきっかけ

美術大学で日本画を専攻していたのですが、芸術祭で自分の作品展示のところにコロプラの採用担当者が名刺を置いていってくれたんです。そこからインターンに参加して、メンターの方との関わりや、社内の雰囲気に惹かれて入社を決めました。

他社や他のメディアとの比較検討はせず、コロプラ一本で就職活動を進めました。自社IPで積極的に新しい技術に挑戦しているところにも魅力を感じましたが、なにより決め手になったのは、「人の印象が良かったから」ですね。

入社前にしたこと

それまではゲーム業界に詳しくなく、コンシューマーも含めてゲーム自体あまり知らない状態でした。それどころか、入社する前はパソコンがまったく扱えなかったんです(笑)。インターン初日にログインパスワードの文字列がキーボード入力できなくて、「さすがにマズい」と思ってパソコン教室に通いました。いま思うと、あまり意味がなかったと思いますが(笑)。

新卒1年目は業務に慣れるのに必死でしたが、直接かかわる方だけでなく他部署の方にも温かく声をかけてもらって、自分が感じている以上に多くの方が新卒を見守ってくださっているのだなと驚いたのを覚えています。

初配属での経験

研修時は2D希望だったんですが、3D研修でモデリングに触れて「自分の表現を、デジタルでも形にしたい」と思い、方向転換しました。2Dから3Dへの移行に抵抗はなかったですね。絵を描くというのは、3Dの現実を2Dに落とし込む作業ですから。2Dのデザインをパソコンの中で3D世界に落とし直すのも工程が逆なだけで、重要なのは造形力そのものだと思っています。

ただ、最初に配属された『とらべる島のにゃんこ』では、“可愛くデフォルメする”という感覚がなくてすごく苦戦しました。私は日本画出身ということもあり、ずっと写実的な絵ばかり描いていたので、「見たものを見たまま描く」しかできなかったんです。なにかを取り込んで解釈(デザイン)してアウトプットするという「引き出し」が自分の中になかったんですね。

挫折しそうになりながらも必死で大量の案を出して、「もっとかわいく」「もっとわかりやすく」とブラッシュアップして、最後にそのデザインが立体になって動いたとき、「生きてる!」と感じたんです。

あの感動は本当に大きかったですね。

『とらべる島のにゃんこ』鈴木さんのデザイン画
3Dモデル+キャラモーション!

デザイナーとしてやりがい

日本画などのファインアートは個人作業ですから、チームで協力して作業するというのは私にとって結構なチャレンジであり、学ぶところが多かったです。

たとえば自分が作ったモデルに動きがついて、そこに生き生きしたキャラが乗って、それが何万人というユーザーさんに届く。伝えたいことがきちんと伝わって、求める結果を実現していく感覚は新鮮でした。人と協力することで可能性が広がっていく実感と、そこで達成されるアウトプットの範囲と結果の大きさに、すごく魅力とやりがいを感じました。

他社IPを扱うタイトルでは、原作の魅力を3Dとして違和感なく見えるようにする、“そのキャラらしさ”を崩さない設計が本当に大事で、そこに苦労もやりがいもありました。

スキル面でのブレイクスルーや成長の実感

PCに接するのが一からの経験だったので、ブレイクスルーしかないのですが(笑)、何かひとつ「これが転機!」というのはないですね。

ただ、常に新しい環境に順応してきた感覚はあります。最近ではAIなど新しい技術の流れもあるので、新しいものを柔軟に受け入れる姿勢を大切にしています。やれることが増えると、表現の幅が広がるのが純粋にうれしいです。

マネジメントで意識していること

まだ管理業務に就いてからは3か月ほどなのですが、マネージャー補佐として、メンバーへは、丁寧なコミュニケーションを心がけています。過去に「なぜこの業務があるのか」の説明がなくて不安になった経験があったので。自分が依頼する際には、できるだけ依頼の背景や意図を伝えて、事前資料などを添えるようにしています。

お互いの認識を合わせて、納得して動ける環境をつくることがスムーズな進行、ひいては良いアウトプットにつながると思います。

日々の気分転換

「ひとつ終わった!」という達成感が好きで、部屋の掃除やボウリングにハマっています。結果やスコアが目で見えるので、達成感を得やすいんです。

ゲーム制作の業務というのは数カ月単位の作業が多く、「終わった」「片付いた」という感覚が得られにくいですから、短期的に気持ちを切り替えられる行動は大事だと思っています。

今後やりたいこと

「美しいと思うものを、自分の手で、人と共有できる形にする」ということをずっと目標にしています。休日は水彩画やデジタルアートにも取り組んでいて、表現力を磨き続けています。将来的には、造形力に加えて、ワークフロー全体を見渡せる立場で、チーム運営にも関わっていきたいです。

これから入社される方へ

私自身、“何もできなかった人”だったので、たくさんの先輩たちにサポートしてもらってきました。なので、たとえ何もできなくても、前向きに吸収しようとする姿勢が大切だと思っていますので、そんな志を持った人たちと一緒に働けたらなと思います。「全部できる人」でなくていい。少しずつでも前に進もうとする姿勢が、チームに大きな影響を与えてくれると思っています。