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『異世界∞異世界』が描く、作品表現の新たな挑戦

目次

異世界ーーそれは、多くの人々が夢見る、そして時に現実を忘れさせてくれる魅惑的な場所です。アニメや小説で描かれる多種多様な異世界に登場する個性豊かなキャラクターたちは、私たちを強く惹きつけ、その物語に深く没入させてくれます。

もし、そんな魅力的なキャラクターたちが一堂に会し、さらに彼らの魅力をじっくりと楽しめるゲームがあったとしたら?

そして、その熱量をファン同士で語り合える場所があったとしたら?

▲異世界∞異世界に登場する総勢37名のキャラクターたち

コロプラが贈る『異世界∞異世界』は、数多の人気アニメIPのキャラクターが登場するユニークなコンセプトと、異世界転生ものの「あるある」が随所に散りばめられた面白さが魅力のタイトル。

加えて、本作は公式Webサービス「異世界∞異世界BBS」と連携することで、単に人気キャラクターを集めるだけでなく、ゲームをきっかけにアニメ好き同士で交流を図れます。

そして何より、スマートフォンというプラットフォームの制約の中で、いかに原作アニメの魅力を損なわず、ハイクオリティな作品表現を実現したかという、開発チームの並々ならぬこだわりが詰まっています。

『異世界∞異世界』がどのようにして、お気に入りのキャラクターたちが生き生きと動き、作品世界の「らしさ」が表現されているのか、その開発の背景にある技術と情熱について、ゲームライター出身で現在は各タイトルのコミュニティプランナーを担当する荻野が開発メンバーに深く迫ります。

プロフィール

エンターテインメント本部 Eスタジオ 3Dデザイナー

菅野 幸弥

コンシューマー・モバイル・アーケードなど幅広く手掛けるゲーム開発会社にデザイナーとして新卒入社。2014年にコロプラ入社。『白猫プロジェクト』や『クイズ     RPG 魔法使いと黒猫のウィズ』など運用タイトルや新規タイトルの開発を経て、現在は『異世界∞異世界』の3Dキャラクターモデルを担当。

テクノロジー推進本部 横断アート部 3Dデザイナー

松尾 脩図

コンシューマー向けゲーム開発会社にデザイナーとして新卒入社。2014年にコロプラ入社。様々な開発・運用タイトルを経て、現在は『異世界∞異世界』の3D背景モデルを担当。

エンターテインメント本部 3Dデザイナー

M.Y.

コンシューマー向けゲーム開発会社にデザイナーとして新卒入社。3Dモーションデザイナーとして様々な開発に関わる。2021年にコロプラ入社。『異世界∞異世界』でキャラクター全般のディレクションを担当し、現在は新規タイトルの開発を担当。

エンターテインメント本部 マーケティング戦略部 コミュニティプランナー

荻野 朋哉

大学在学中にライターとしてゲームメディアに入社。ライターだけでなく、マーケティングや動画編集の分野も担当。オーストラリアへ1年間留学した後、2024年に

コロプラ入社。『異世界∞異世界』、『神魔狩りのツクヨミ』などのコミュニティプランナーを担当。

本作にかける想い

荻野:本作では多くの人気アニメ作品が登場するかと思います。多様な特色のある作品を一つのゲームで表現することには高い壁があるように感じられますが、本作に携わるうえで最初に感じたことを教えてください。

菅野:正直とんでもないタイトルに関わることになったなと思いました(笑)。

色んな世界観を一つのタイトルにまとめる大変さや、特にパブリッシャーへの監修が忙しそうだなと。

アニメIPのラインナップを見た際は知っている作品が多く、「自分はアニメが好きだったんだな」と実感しました。その時点で本作が完成したときのことをイメージしてモチベーションに繋がりました。

M.Y.:プロジェクトを担当することになった当初は全ての作品を知らなかったこともあり、準備しなければならないものの多さを想像してかなり怯みました...(笑)。

過去には他ゲームタイトルでアニメIPを取り扱った経験があり、作品ごとの表現の違いをゲームに落とし込むのは苦労しました。

そんな中、これだけ多くのアニメIPが登場する本作を作り上げるには制作段階の初期からチームの舵取りをしなければと思い、気合いを入れて制作に臨みました。

▲1st/2nd SEASONに登場するタイトル

松尾:お二方と同じ意見にはなりますが、数多くの作品を本作でどのように違和感なく表現するのだろうという疑問や、私は背景担当なのでそれぞれ異なった世界の背景やステージを全て1から作り上げるのだろうかと不安はありましたね。

ただ、実現できれば本作は唯一無二のゲームになれるのではないかという期待感が大きかったです。

荻野:各作品を表現する中で意識していることや「これは必ずするようにしている」ことなどあれば教えてください。

菅野:作品を平等に扱うことは常に意識していました。全作品のファンの方々が喜んでくれるようなゲーム作りを心がけており、特に私はキャラクターデザイナーなのでキャラクター1人1人の作り込みの部分に不公平さが印象として残らないように制作していました。

▲「転スラ」ミリム
▲「スライム倒して300年」アズサ

M.Y.:アニメを全て視聴した上で「ファンの方々はここが好きなんだろう」という分析から始めました。全ての作品のテイストが異なるので、当然各作品のファンも好きなポイントは違うと思います。

「このキャラクターの魅力は?」「どのような部分に惹かれているのか?」というのを常に意識していました。具体的にはプランナーの考えた必殺技の演出やバトル勝利時のポーズなどは作中を忠実に再現することに注力しましたね。

▲「シャンフロ」メインクエスト風景

松尾:背景制作において、キャラクターが一番魅力的に見せられるような引き立て役として、色味や構図、明暗のバランスなどを作品ごとの特色に合わせて制作するようにしていました。単に「作品ごとの特色に合わせる」と言っても、この部分はかなり試行錯誤しています。

キャラクター表現の追求

荻野:次はキャラクターについてお伺いさせてください。現在15タイトル30体以上のキャラクターが登場する本作ですが、キャラクターの個性や感情、いわゆる“らしさ”を表現するために具体的に工夫したことを教えてください。

菅野:キャラクター制作における骨(キャラクターの動きを制御するための内部構造)は制作コスト削減のためにある程度共有化するのが一般的なのですが、本作ではいかにキャラクターの魅力を表現するかという部分を第一に考えていたので全キャラクターをオリジナルの骨で作成するというかなり大変な挑戦をしていることですかね(笑)。

しかもパッケージ売りしているタイトルでは無いため、月に4〜6人ほどの新しいキャラクターを作り続けている部分は頑張っている部分かなと。

その中でも効率化できるところは常に探りながら、質と効率を両立できている点は個人的に満足しています。

▲各キャラクターオリジナルで作成された骨

荻野:それぞれのキャラクターを骨から作り上げていった中で、完成した際にキャラクターを動かして特に感動したキャラクターはいますか?

菅野:難しい質問ですね(笑)。

実際作り上げて感動したのは「とんでもスキル」のフェルですね。毛並みの独特な質感を3Dで立体化させられた時は「よく動かすことができたなぁ...」と感動しました。

アニメの製作委員会からもお褒めの言葉をいただけたのは嬉しかったですね。

▲「とんでもスキル」フェルの開発風景

荻野:このように聞くといせいせで実際にフェルを触りたくなってきました(笑)。

M.Y.さんはいかがですか?

M.Y.:制作初期にキャラクターの表情管理などが難しくスタッフによってバラつきが発生するのではないかと判断し、2Dデザイナーの方にもご協力いただき、キャラクターの表情を2Dで作成した後に3Dモデルを作成するよう統一しました。

骨で表情を動かすことも検討しましたが、スタッフの力量によって差異が生まれてしまうためブレンドシェイプでの表情作成を採用しました。

▲2Dでデザイン統一されたキャラクターの表情

荻野:デザイン段階で統一することで何かメリットになった部分はありましたか?

M.Y.:ある種の“いせいせテイスト”のような、本作に登場するキャラクターでありながら各IPの特色を損わない表現を実現できたと思います。

また、各パブリッシャーさんにも表情の部分で指摘が入ることはほとんどなかったです。

荻野:それはすごいですね!確かにこうしてキャラクターたちを見ていると“いせいせテイスト”がありつつも各キャラクターの特徴を上手く表現しているように思えます。

世界観の構築と演出

荻野:本作ではキャラクターだけでなく、アニメ本編で見慣れた場所やステージが多数登場するかと思います。背景やステージを創る際に意識していることはありますか?

松尾:原作やアニメを視聴した方々にとって各作品の印象に残っているロケーションや舞台は可能な限り本作に登場させられるように努めています。思い入れのある場所が登場して、そこにキャラクターがいると没入感が一気に深まりますからね。

また本作にはスクリーンショット機能がゲーム内に存在するので、撮影した写真をいせいせを知らない人が見た時に「この場所って...」と思ってもらえるよう制作を意識していました。

▲「第七王子」メインクエスト風景

荻野:SNSや異世界BBSを見ていると、キャラクターの動きやポージングに違和感を抱いている投稿はほとんど見られないように思います。ある意味、キャラクターと背景やステージとの親和性から成せることだと思いますが、この部分で何か意識していることなどありますか?

M.Y.:キャラクターモデルの頭身を統一しているのが一因かなと思います。

作品によっては顔が小さくて頭身がスラっとしているキャラクターもいれば、逆に頭身が小さくて可愛らしいデザインのキャラクターもいます。そんなキャラクターたちが3Dで横並びになった時に違和感を感じさせないよう、中間に寄せるような微調整を行いました。ただしキャラクターの特徴は削らず...それこそ“いせいせテイスト”ですね(笑)。

▲違和感なく頭身が統一されたキャラクターたち

松尾:“いせいせテイスト”は良い表現ですね。

確かに現状登場する作品はどれもファンタジー世界やMMORPGが舞台のタイトルで、親和性という意味では特に違和感なく制作ができていると思います。

ただ、今後登場するタイトルの中には現実世界を舞台とする作品も登場し、今まで登場したキャラクターたちもその現実世界を冒険することとなります。親和性とはまた少し違ったテイストを味わえるはずなのでぜひご期待ください。

開発の舞台裏と挑戦

荻野:スマホゲームという制約のある中で、特に難しかった表現や調整ポイントがあれば教えてください。

菅野:端末やスペックの幅広さに悩むことが多く、どの範囲までサポートするかを何度もチームですり合わせを行いました。

より多くのユーザーの方々に遊んでもらうために、開発途中でサポート範囲を広げたりもして、正直その点は苦労しましたね。

技術研究部の方々にご協力いただけたのは大変助かりました。

M.Y.:骨の数やポリゴン数を抑えて、なるべく動作の重いゲームにならないよう取り組んでいたのですが、サポート範囲が広がったことによって調整に苦労することが多かったです。その中でどれだけ軽く、リッチに見せられるかを常に試行錯誤していました。

松尾:PC(Steam)でも対応する本作ですが、PCゲームとして安っぽくならずに、ただスマホゲームとしても重過ぎないという落とし所を探るのに時間を要しました。背景班は制作の流れの中に必ず処理負荷を計測する工程があり、常に幅広い端末でプレイできる環境をチーム全体で意識していました。

荻野:なるほど。主に端末のサポート範囲周りの調整が難しかったんですね。

荻野:チームで作品表現の方針やクオリティの基準を共有するために、役割を超えて連携する場面などはありましたか?

菅野:デザイン班やモデリング班、背景班など各チームのリーダーが集まって定期的に話し合いの場を設けることは必ずしています。

松尾:菅野さんのおっしゃられたことに加えてエンジニアさんとも常に連携していて、何をやりたいなどの相談/提案ベースから話し合いをすることも良くありますね。

荻野:気軽に提案や相談を持っていけるだけで作品全体のクオリティって大きく左右されたりしますよね。これに関しては開発チームだけでなく、私が所属しているマーケティングチームにも同様のことが言えると思います。

ユーザーへのメッセージと今後の展望

荻野:本作をプレイされているユーザーの方々に「ここに気付いてもらえたら嬉しい」「ここに注目するとよりいせいせを楽しめるかも」と思う細かいポイントなどあれば教えてください!

菅野:細かいポイント...難しいですね(笑)。

それこそクエストの道中が面白く、ここはアニメのあのシーンだと気付けたり、毎回キャラクターの表情が異なっていたり、編成順を変えるだけで奇跡的なシーンを生み出せたりするのでぜひ注目して欲しいです。

個人的には異世界BBSがかなり面白いコンテンツだと思っており、そこにお気に入りの一枚を投稿してコミュニティとの盛り上がりもぜひ楽しんでもらえると。

▲異世界∞異世界BBSに投稿された一枚

荻野:異世界BBSを運営する者として非常に嬉しいお言葉をいただけました(笑)。

M.Y.さんはいかがでしょうか?

M.Y.:あまり見ることがないかもしれないのですが、バトル中のダメージや戦闘不能のモーションはキャラクターによって特殊な動きをしているのでぜひ確認してみて欲しいです。

例えばシャンフロに登場するサンラク&エムルの戦闘不能シーンではエムルが倒れてしまう描写は設定的にNGなので、サンラクが倒れている横で心配していたりなど細かな部分にも力を入れています。

▲「シャンフロ」サンラク&エムルの戦闘不能シーン

荻野:個人的にお気に入りのシーンは第七王子に登場するロイドの戦闘不能シーンでした。詳細はぜひゲーム内でご確認いただきたいのですが、負けるはずのないロイドらしい退場の仕方だなと(笑)。

では最後に。松尾さんお願いします!

松尾:メインクエスト中には各アニメのストーリーを連想させるようなイベントが発生します。未視聴の作品のメインクエストをプレイする際にそのようなイベントが気になったらぜひアニメを見ていただけると一層楽しめるかと思います。

▲「とんでもスキル」メインクエストに出現するイベント

荻野:アニメからゲームをプレイしたり、ゲームからアニメを視聴するような循環が生まれると嬉しい限りですね!

荻野:今後さらに登場作品が増えていくかと思いますが、挑戦したいことなどあれば教えてください。

菅野:グラフィックに関してはよりアニメらしい表現を模索して常に制作に臨んでいきます。また、若手発信から主導権をもって企画進行することもあり、大きめなアップデートが入ったりもしますので今後はそういった部分にもご期待いただければと。

M.Y.:キャラクターが増え続ける本作では類似キャラクターが登場する可能性は大いにあり得ます。

ただ、全く同一のキャラクターなどは存在せず、いかに各キャラクターの差異に気付いて差別化できるかはチームの手腕にかかっていると思いますので、そこは常に意識して頑張っていきたいですね。

松尾:アニメ自体の表現が日々進化している中で、今後いせいせで取り扱っていく作品もその進化に近付いていけるように取り組んでいきたい思っています。

荻野:この記事を読んで下さっているユーザーやファンの方に伝えたいことがあれば聞かせてください!

菅野:まず遊んで下さっているユーザーの方々に感謝を伝えたいです。

異世界BBSなどで追加してほしい作品を投稿している方々をよく見かけるのですが、私自身もアニメファンとしてその気持ちは痛いほど分かります。

順次新たなタイトルを用意しておりますので作品発表も含めて楽しんでいただけると嬉しいです!

M.Y.:ファンの方々に刺さるようなコンテンツを止まることなく増やしていけたらと思っております!

異世界BBSの掲示板でそういったワンシーンの写真をたくさん投稿していただけると我々一同モチベーションになりますので、引き続きいせいせと異世界BBSをよろしくお願いします。

松尾:クエスト、バトル、スキル演出や背景までかなり細かく作り込んでいるゲームなので、ぜひそういった部分に目を向けながら”異世活”を楽しんでいただければ。

また、「いせいせをきっかけにアニメを視聴した」という投稿を見るとこのゲームを作って良かったと実感できます。もし、いせいせからアニメや原作にも興味を持っていただけたら気軽に異世界BBSへ投稿して下さるととても嬉しいです。

最後に

いかがでしたでしょうか?

『異世界∞異世界』がいかにしてアニメ作品への深い愛と、それを高い品質でユーザーに届けようとする開発チームの情熱によって支えられているかが明らかになりました。

これからも新たな作品やキャラクターを迎え入れながら、グラフィック表現の進化、そしてユーザーコミュニティとの連携を深めていきます。

そして本作がアニメや原作、ゲームそのものを繋ぐ架け橋となり、さらに多くの「異世活」仲間を生み出してくれることを願っています。

取材・執筆
株式会社コロプラ 荻野 朋哉

<タイトル概要>

◆ゲーム名:異世界∞異世界
◆対応端末:iOS、Android™、PC(Steam)
◆ティザーサイト:https://isekaiisekai.jp
◆公式Xアカウント:https://x.com/isekaiisekai

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